当社のアルマイト処理

研究開発型の当社のアルマイト処理

当社のアルマイト処理は材質、機能、処理条件、製品形状、使用環境など様々な条件を考慮し、お客様の要求仕様に合わせて最適なアルマイト処理を行っています。

特に試作や研究開発を含むアルマイト処理にも長年の表面処理技術を活用し、これまでに無い機能、特性など他社では困難とされるアルマイト処理にも積極的に取組んでいます。

アルマイト処理の処理条件の開発や生産ラインの設計、生産まで社内で行っており、技術要求の高いアルマイト処理においても経験とノウハウを応用し、信頼性の高いアルマイト処理がお届けできるよう努めています。

自動車用部品アルマイト

ピストン
コントロールバルブ

アルマイトの基礎

アルミニウムは、非常に酸素と強く結合する特徴があり、表面に緻密で無色透明の酸化アルミニウム皮膜(0.01~0.1μm)を形成する。

この酸化皮膜は、『自然酸化膜』といわれ、大気中で鉄のように錆びない、自己保護作用を保つ。

そのため、アルミニウムは耐食性に優れた材料として広範に利用されている。

しかし、この自然酸化膜は、厚さが非常に薄いため、実際に日用品、建築構造物、車両、船舶、工業用品などへ利用するためには皮膜を人工的に厚くする必要がある。

アルマイトとはその酸化皮膜を人工的に厚くすることである。

アルマイトは別名で陽極酸化処理(アノダイズ)と呼ぶ。

アルマイトの目的別解決策

困り事・目的 解決方法
素材のままで腐食してしまう。 普通アルマイト
防食対策。(膜厚 5~10μm程度)
表面の強度が不足している。
(素材のままではHv100 程度)
硬質アルマイト
普通アルマイトより硬い皮膜を生成。(Hv400以上)


超硬質・クラックレスアルマイト
硬質アルマイトより硬くクラックの少ない皮膜を生成。(Hv550以上)

特徴:
高硬度、面粗度が良い、クラックが少ない

期待効果:
摺動性・耐摩耗性向上、摺動相手部品へのダメージ低減、 摩耗粉(コンタミ)低減、耐食性向上

※材質により硬度とクラックレス状態が異なりますのでご相談下さい。
カラーバリエーションを増やしたい。
治具の識別をしたい。 
着色アルマイト
赤、青、黒など色を変えることはもちろん、艶消し、
梨地、光沢出しなどの表面状態を変えることも可能。
摺動部や搬送部の摩耗対策。
潤滑不足。
潤滑油が使えない。
超潤滑アルマイト
今を上回る潤滑性能。 
光沢を出して防食も行いたい。 光沢アルマイト
鏡面相当の外観が可能。
汚れの防止と洗浄を手軽に行いたい。 撥水アルマイト
普通アルマイトに撥水機能をプラス。
電線(銅)が重いので軽量化したい。
ワイヤーハーネスの軽量化をしたい。
ワイヤーハーネスのリサイクルで困っている。
アルミの絶縁方法で困っている。
アルマイト電線
アルミ線の表面を絶縁させた電線。
そのままリサイクル可能。(アルミニウムのみ使用)

アルマイトの処理上の注意事項

注意事項 懸念内容
材質の選定
(A1000系、A2000系、A5000系、A6000系、A7000系、AC4C、AC8A、ADC12など)
アルマイト処理後、材質により外観(色)が異なる。
電極接点位置 電極接点にアルマイトがついていない部分がある。
着色アルマイトの場合、電極接点部に色が付かない。
前処理、アルマイト処理による寸法変化 (艶消し、製品の公差部) 寸法精度が厳しい場合はアルマイト皮膜の寸法を考慮する。
ろう付け、溶接部の有無 ろう付け、溶接部は外観が変わったり、シミが発生する場合がある
着色性の違い 着色はアルマイト皮膜の厚さと材質によって色が異なる。
アルミニウム以外の金属(鉄、ステンレスなど)を同時に処理 アルミニウム以外の金属(鉄、ステンレスなど)は溶解する。
アルミニウムの異材質を同時に処理 膜厚ムラ、色ムラが発生する場合がある。

アルマイト処理事例